積極的後進

後ろ向きに全力ダッシュ

2013年を振り返る

年々,年末年始の有り難みが「少し眺めの休暇」程度になりつつあり.


僕にとっての2013年

僕にとっての2013年は,まさしく勝負の年だった.進級に向けての試験から,研究室配属,大学院入試,卒論への取り組み,そしてプライベートでの様々なチャレンジなど,今年は昨年にも増して密度の濃い一年だった.

今思えば,拙い取り組み方をしている事例も数多くあったけど,それを経験したからこそ今の僕は少しマシになったのかなと思う.少なくとも知識や経験は昨年に比べて格段に増えたし,物事への取り組み方もより真摯になれているような気がしている.結果はまだない.自分には成長の余地が残されていると考えると少し心が明るくなる.

2014年は

まずは卒論を無事に提出して合格させることが最初の目標になる.その間もプライベートなチャレンジを続けていきたいが,進みは遅くなるだろう.それでも,続けることが大事だと考えることがようやくできるようになった.来年はいよいよ就活の始まり.インターンシップと併せて,また勝負どころと言えるだろう.しかし僕がやることはきっと,全力で生きることだけは変わらないのだろう.

ともかく,2013年お世話になった人々に最大限の感謝を.

大学編入学体験のまとめと,大学から見た高専について所感

この記事は Kosen Advent Calendar 2013 (http://www.adventar.org/calendars/65)参加記事です.


ハロー,こんにちは,はじめまして.ヘイムスと申します.

NaraNCTを卒業後大学に編入学し,次年度より大学院生となります.

今までにいろんな方がいろんな場所で論じられてきたことであるとは思いますが,高専から大学への編入学および大学院への進学というテーマで自分なりに感じたことなんかをまとめていこうと思います.
諸先輩方からのツッコミ待ちをしつつ,進路に悩んでいる後輩諸君にとって少しでも参考になれば幸いです.



編入学制度とは

現役高専生諸君のためにも,まずは編入学制度そのものについて触れておこうと思います.

編入学制度とは読んで字の如く,高専から外部の大学へ編入学ができる制度です.高専本科5年生が進学という進路を選択する場合は,大抵の場合が専攻科or編入学という選択肢を考えることになると思います.その昔は受け入れてもらえる大学が限られていたようですが,今では大体どの大学でも受け入れてもらえるのではないでしょうか.ただし,編入学先の学科は自分の専攻と対応する学科に限られます.ですので,文系の学部・学科や他の専攻に進学したい場合は編入学ではない選択肢を考える必要があると思います.例外もあるとは思いますが,僕自身があまり詳しくないので割愛…

大学の選び方ですが,まずはどのような大学があってどのような学部があるのか,またそこではどのような研究室があってどのような研究をしているのかなどといった点が主な着眼点になるかと思います.大学の見学ツアーや編入学向けの説明会などが春先くらいから告知されていたりするので,掲示板をチェックしましょう.また,先輩方のデータなんかが蓄積されている場合もあります.先輩方がどういった進路を選ばれたのかがわかるはずですので,有効に活用にしていきましょう.

さて,ここで編入学をするためには具体的にはどのようなプロセスを踏むかですが,一言で言えば入試を受けます.編入学試験を受験して合格することで編入学の権利を得ますが,その試験にも推薦・学力など種類があります.僕は中でも特殊な入試を受けたのですが,詳細はこのブログの過去のエントリを遡っていただけると幸いです.



大学へ編入学するメリットとデメリット

一般的に,高専生が進学する場合は専攻科で学士を取得し,国公立大学院へ入学するという流れが最もメジャーではないかと思います.僕が卒業した学科でもそうでしたし,他高専でもそういった話をよく聞きます.そのプロセスを踏むメリットは大きく,同じテーマで引き続き研究を進めやすいことであったり,自分にとって慣れ親しんだ環境でより上を目指せることであったり,こと高専で5年間を過ごした学生にとってはかなりのメリットであると言えます.

では,そういったメリットを捨ててまで外部である大学への編入学にはいかなるメリットがあり,またデメリットがあるのでしょうか.

メリット

一般的に高専生は本科を卒業するだけで,同専攻卒の大学生と同等以上のポテンシャルを持つことが出来ます.こと専門分野の話となれば,大学生を圧倒することもしばしばです.しかしながら,高専本科のカリキュラムだけではカバーしきれない範囲もありますし,高専の先生方の専門外の分野はどうしてもカリキュラムに含みにくいということもあります(これは高専だけでなく大学でも同じことが言えますが…).そういった分野を大学に行って勉強するということは非常に意義のあることだと僕は考えています.これに付随して,高専では選ぶことができなかったテーマの研究に取り組むこともできます.高専在学中に学びきれなかった分野について,大学で勉強できる可能性が高いという点が大学編入学最大のメリットだと思います.

また,世の中はどう頑張っても高専生より大学生の方が多いので,就職すれば必ず大学卒の人と一緒に仕事をする機会がくるはずです.そういった時に,大学といったところがどういうところなのかを知っておくと何かと便利かなと感じます.特に高専生は普通高校のことも知らないケースが大半ですから.

さらに,慣れた環境から外に出ることは人間的な成長をもたらしてくれます.大学に編入学するとほぼ確実に一人暮らしをすることになると思いますが,いざ知らない土地で一人暮らしをするというのは結構心細いものです.その中で一から人間関係を構築して勉学に励むということは,苦しいですが得るものは大きいはずです.

デメリット

では逆に編入学に伴うデメリットとは何なのでしょうか.

基本的には上で挙げたメリットの裏返しになります.カリキュラムが本科時代に勉強した内容の完全な焼き直しになってしまったり(編入学する以上避けては通れないことではありますが),本来興味を持ったはずの研究分野から違った内容を研究することになってしまったり.また,慣れない環境で過ごすということは人間にとって必ず負担になってしまうので,体調を崩してしまう学生も少なからずいるようです.
また,編入学は専攻科に進学する以上にお金がかかります.上で書いたように,大抵の場合は一人暮らしをすることになってしまいますのでそれにまつわる費用が必要になってきます.奨学金を借りるケースが多いと思いますが,お家のお財布事情ともよくよく相談しなくてはいけません.

いずれにせよ,必ずしも狙ったとおりの選択ができないという点においては,編入学は専攻科へ進学するよりもリスキーであると言えるでしょう.

僕が編入学を選んだ理由と,その結果

僕が編入学を選んだ理由とその顛末は,じつは上記メリット・デメリットに基いています.

高専本科在学当時,同期の誰もが認める落ちこぼれであった僕は既に就職活動スタートにも躓いており,「今から,このままで就活したところで職を手にすることも,続けることも難しいだろう」と考えました.一方,編入学試験は大体が5〜7月に行われ,少しだけ時間があったこと.現在在学している大学で特殊な編入学試験が行われ僕にはその試験を受験する資格があったこと,また幸いにも僕が勉強したいと思っていた内容が大学で学べたということがスタート点でした.

そうして進学して,勉強したいと思っていたことをある程度勉強したり高専時代に学びきれなかったことを学んだりして,高専時代よりもずっと技術に対する理解を深めることができました.しかし,やはり編入学して一年目,新たな環境でいきなり成果を出すということは中々にできないもの.僕は希望していた研究室に配属されることなく,今では全く違う分野の研究に取り組んでいます(それはそれで,今のテーマを楽しんでいます).

このように,こと大学に編入学するためにはある程度のモチベーションが必要であることと,必ずしも思い通りにいくわけえはないということが編入学を考える上で難しい点です.

編入したあとはどうなるの?

僕が編入を決めた後も,「編入後の学生生活はどうなるの?」ということがずっと気になったまま,しかし誰かに聞くこともできないままでした.せっかくなので,編入後の生活についても少し触れておこうと思います.

基本的には他の大学生と同じように生活するということはもちろんですが,編入生は大学3回生として編入します.その際に高専時代の取得単位と大学の単位とのコンバートが行われます.その結果,必要な単位と単位数を計算してそれをベースに講義を受けるという形になります.その後のことは大学によっても違ってきますが,3回生後期か4回生で研究室配属されます.

以上を踏まえると,実は編入学後は割と忙しく,毎日それなりの数の講義を受けて勉強し,単位を取る必要があります.また,気持ちは1回生だけど立場は3回生という事情から,サークルへの参加もそれなりに難しかったりします.上下関係を重んじるサークルは厳しいかもしれません.

このように大学での講義に主軸をおいた生活になります.一般の大学生とは少し違った形にはなりますが,充実した学生生活を送ることができます.その他,大学によって異なるところや編入後の進路をどのように選ぶかによっても日々の生活は変わりますので,先輩や編入後の同期たちと仲良くなって情報を交換することを強くオススメします.

最後に

編入学は学歴ロンダリングと言われることがよくあります.その言葉は間違っていませんし,事実そういった目的で編入学を選ぶ学生も少なくありません.しかし,せっかくお金と時間をかけて編入学を選ぶからには,自分なりに勉強したいことや成し遂げたいことを持って編入学を選んでもらえると良いかなぁと思います.学歴ロンダリングも立派な目標ではありますが.

上にも書いたように,編入学は専攻科進学とくらべて同じ進学といえども若干リスキーです.しかし,外の大学に出て勉強するということは必ず得るものがあります.いろんなことを慮る必要がありますが,今の自分に何が必要かをよく考えて選択をしていってもらいたいと思います.


これを読んだ高専現役学生諸君にとって,少しでも参考になれば幸いです.

師弟登壇・新米サムライの集い 2013 におじゃましてきた

2013年10月12日,僕が尊敬してやまない@june29さんのお誘いを受けて, 師弟登壇・新米サムライの集い 2013 – ペパボ技術基盤チーム | Doorkeeper というイベントに参加してきた!

卒業研究の中間発表が迫り切羽詰まる中,初めて新幹線を使って東京まで出てみた.やっぱ快適ですね.



  • イベント内容

イベント内容としては,Webを舞台に活躍する企業の「採用」「新人研修」にフォーカスを絞った発表を行う場で,「採用・研修担当者側」と「被採用・研修受講者側」という師弟の立場からそれぞれお話を聞けるという大きな特徴を持ったイベントだった.僕はまだ参加したことがないが,企業説明会に近いイメージのイベントなのだと思う.もっとも.一般的なそれよりは遥かにフランクかつ突っ込んだお話を聞くことができるイベントだと思われるが.


  • 所感

僕は残念ながら六本木というシャレオツスポットに行ったことがなかったため東京メトロ乗り換えで迷子って遅刻量を引き受けてしまい最初を少し聞き逃してしまったが,先述の通りのお話を各社さん毎に聞けるイベントで聞きはじめの段階から引きこまれていた.

このイベントの魅力はなんといっても師弟という立場からお話を聞けるという点であるが,言い換えれば「就活(面接)〜採用〜入社〜新人研修」という僕のようなWeb業界を目指す学生にとっては最も気になるタイミングの話を,全く違う2つのアングルから覗き見ることができるということである.これだけだと通常の企業説明会と変わらない気がしなくもないが,もっとディープな話を聞くことができたのではないだろうか.会場には(おそらく)同業な方々の,研修担当と思しき方々もたくさんみえてらしたようなので,そこらの企業説明会に行くよりは遥かに現場サイドの,ナマの声を聞くことができたのだと思う.

僕が特に印象に残っているのは研修内容である.各社さん毎に新人の採用基準が違うので当然研修内容も異なってきており,会社に合わせた研修内容となっていた.とはいえ,どの会社さんも共通してめちゃくちゃ手厚い研修内容となっていて,そういう意味合いでは今回発表のあったどの会社さんでも安心なのかもしれない.ただ,それぞれに求められるものが違うために,今後の勉強という面で自分自身に大きな課題を感じもした.それはともかく.

研修担当さん側のお話を聞くと「部下」や「新人」という意味で「教育を施す」というよりは,今後を共にする「仲間」として「最初のステップをお世話する」というニュアンスでお話されていたように思った.新人さんはそれぞれで能力が違ってくるので,その新人さんに合わせて徹底的に面倒をみているという感じ.各社さんごとにその度合や方法は違ってきているものの,ほぼ全ての会社さんがそのスタイルというのは僕にとっては非常に驚きだった.

逆に新人さん側のお話を聞くと,各自スタートラインが違うものの先輩方に必死についていっているという印象を持った.どんな会社に入社しようとそれは変わらないと思うが,先輩方に対して信頼を持つことができているので安心して取り組めているという点はどこの企業でもあるというものではないように思う.特に新人さん側のお話は研修から今現在まで最初の半年間のお話を聞けるので,非常に濃いお話が聞けた.研修の内容やそれに伴う苦労,感想など様々なお話が聞けるという点は学生にとって今後を考えるに対し大きな判断材料となるだろう.僕自身,考えさせられる部分が多いように思う.



  • まとめ

結論から言うと,支払ったコスト以上の,有り余るほどの収穫があったイベントだった.学生として今後の勉強や就活の指標として大いに役立つことは間違いないだろう.次回が開催されるなら是非とも参加をさせていただきたいところであるが,その際は「志望にあたってどのようなアプローチを試みれば良いか」「インターンシップなどの機会はあるか」などの学生向けのアプローチや,イベント会場レベルでの何かをいただくことができれば他の学生も参加しやすくなるのではないかと思う.また,実際に登壇された方々とお話する時間などもイベントとして設けてもらえると良いのかもしれない.その辺は個人の努力なのかもしれないが.

ともあれ,今回参加できたことは非常にラッキーで,今後に向けての大きな励みとなった.



運営の皆様,発表者の皆様,参加者の皆様,そして何よりお誘いいただいた@june29さん,ありがとうございました!

追い詰められ過ぎると自分がヤバい状態だってのは自覚できないしできても治せない

更新頻度がクソ遅いので大学編入時の記事も結構まだ上の方にあった.
大学院入試が終わったので色々と書いておく.
僕のような高専からの大学編入生や,普通に大学院を目指す学生の参考になればいいなと思う.あとは僕自身の振り返り用.

  • 大学院入試を目指す各位へ

僕は大学編入も胡散臭い推薦システムを使わなければ受からないくらい,致命的に数学ができない.
研究で数学とステゴロファイトをすることになっても数学ができない.でも研究でやらなかったらもっとできなかったと思う.
編入してから専門分野の成績は随分とマシになったことが救いだった.それはともかく.


大学院入試は結構特殊な世界なので,特に外部進学を目指すには色々と乗り越えるべき壁がある.
中でも大変なのは,その大学院のある大学の学部のカリキュラムを調べて自分の学習してきた内容とすり合わせをすること.
入試の過去問を参考にして対策を立てるわけだが,本番ではずされる可能性はもちろんある.僕はやられた.
情報工学では,専門分野以外に数学で学習内容にも結構差が出たりする.大きく分ければ同じ内容を学習しているのだが,学習のレベルが違ったりはザラにあるのでそこも自分で補正をしていかなければならない.
あと,基本的にその大学の学部生が優遇されるのは言うまでもないので(大学院大学は例外),外部進学は色んな意味でアウェーでの戦いになる.ここを念頭に置いてかなり早くから作戦を練るのをオススメする.
TOEICの点数が必要になるケースもあるので,情報と動きの速さ重点.

  • 半年

僕が受験勉強に本腰を入れることができたのは半年という時間だった.正直短いと思う.しかしこの半年がすべてだった.
進級に対して大いに手間取ってしまったというのもあるし,そもそも昨年度後期はかなりつらかった.今年もつらいと思う.
ようやく進級の切符を手に入れたのはいいものの,研究をスタートさせなければいけなかった.テーマを思うと事前の予備学習をかなり綿密に行う必要があったので,当然そちらにリソースを割り当てることになる.
結局,僕が受験勉強だけを行っていたのは春休みの間だけということになる.それ以前の僕にそんな余裕はなかったし,それ以後もパラレルな取り組みをすることになっていた.
その結果,受験に対する取り組みとしては不十分な点が多々あったものの,それでもどうにか成果が出たことは僥倖と言わざるを得ない.

  • 自分自身をマネジメントするということ

昨年度の冬あたりから,特に受験直前に顕著だったのだけれど,タスクがあるのはわかっているのに全く体が動かないということがよくあった.
受験が終わってから知ったのだがバーンアウトという症状らしい.大きなストレスを持続的に受けることが原因とのことなんだけど,問題はそれに対して何も手を打てなかった自分にあると思う.
すべて終わった今だからこそ「絶対におかしい」と思うことができるが,その当時は「それでもやらなきゃ」という考えしか浮かんでこなかった.よく知らないけど,たぶんうつ状態の人とかもこんな感じなんじゃないだろうか.
割とライフハック的な記事も読む方の人間なんだけど,いざ自分が不味い状態に陥った時に何もできなかったのは今後に向けての大きな反省点だと思う.
人間,定期的にどうにかして「忘れる」ことが必要なんだなと痛感した.何かしらの娯楽を用いて「忘れる」ことで休養を取らないと肝心なところで力が出ないどころか,悪影響しか及ぼさない.そのためのコストは極力惜しんではいけない.
あと,毎日どこかで「切り上げる」ことも重要だと感じた.毎日を限界まで使う設定で頑張れるのは最初の3日が限界なんじゃないだろうか.
何かで読んだけど,体調不良やスランプ,バーンアウトまでを踏まえたスケジューリングやセルフマネジメントをしてこそ一人前なのかなと思う.ずっとトランザムはできない.太陽炉も積んでないし,俺はガンダムにはなれないし.

  • これから

そもそものビハインドを崩すことができず結果を見れば大願成就ならずということになるのだけれど,それでもどうにか結果をつかむことができたので本当によかったと思う.
しかし,その結果以上に過程にも大きな問題があったことを僕は忘れるわけにはいかない.割と精神論的なやり方を今までずっとしてきたのだけれど,ついに限界が来たんだと思う.もっと賢く,怠惰にやれる仕組みを自分なりに作っていかなければ今後また同じことをやらかすだろうし,次は無いのだろう.


でも,安定コースを放り投げて今の進路を選んだことだけは後悔していないし,今の結果にもある程度の満足はしている.大事なのは次だと言い聞かせ,下宿に戻ってから頑張るとして,今日は飲みに出かけたいと思う.

やっぱ人間向き不向きあるし,向いてないと思ったら逃げるのも手なんだろうなぁ

バイトのお話

最近,研究か受験勉強をしていない時はだいたいアルバイトに時間を費やすハメになっていることになっており,マジで苦痛なのでこのエントリを書く.



この夏で,僕はちょうど5年ほど接客要員のアルバイトとして働いてきたことになる.途中で進学を挟んだので2つの職場を経験したことになるけれど,どちらの職場でも所謂”バイトリーダー”的な肩書きを持つまでに至った.飲食店の接客とスーパーのレジとでは若干の差異はあるものの基本的にはやることは同じだし,飲食店で3年半働いてきた僕が新しく働き始めたスーパーである程度の信用を勝ち取ることは,それほど難しいことではなかった.身内からは.

じゃあ肝心のお客さんからはどうなのかと言うと,これがさっぱり受けが悪い.ホントに接客を5年近くもやってきたのか疑わしいくらいに受けが悪い.1ヶ月に1度は暴言を吐かれるレベル.これが5年もやってきた人間の仕事かと言われると反論できないように思う.

そういう時って,決まって僕が手を抜いている時なんだけれど,じゃあ常に手を抜かず最大限のパワーで接客をし続けることができるかと言えば,恐らく余程の人物でなければそういうことは不可能だと思う.それを実行させようと社訓なんかに書いてるのが話題のブラック企業だし,総じてスタッフは潰れていく.つまり手を抜きつつも見栄えの良い方法を見つければ良いのだけれど,僕が未熟なのか未だになかなか上手くいかない.日による.

でも一番の問題点は,そうやって頑張って接客してても報われないことだと思う.

人間とマシンの境界線

接客要員とは何なのだろうか.この問の解として恐らく最もふさわしいのは「生身のマシン」だと思う.的確な仕事をこなし,愛想が良くて当たり前.どれか一つが欠けると,欠陥品の如く扱いを受けるわけで.確かに,それらの要素を満たしているからこそ仕事として成立してそれで給料をもらっているわけだけども,あくまで人間なんだよね.ましてや,アルバイトだし
.と思うのは僕の甘えなのだろうか.

僕は経験から,接客をしてもらう時は必ず相手を人間として見るようにしているし,そのほうが良いサービスを受けれることも知っている.しかし大多数の利用者はそうじゃない.「お金を払っているのだから,最大限のサービスを享受できて当たり前」という考えが浸透しているように思う.一見正しいように見えるけど,その向こう側にはスタッフの努力がある.利用者にも当然仕事があって(だからお金があって),自分たちも(おそらくは)仕事で何らかの努力を常日頃払っていると思うのだけれど,そこでマシンのような扱いを受ければ彼らはどのような状態に陥るだろうか.だから,接客業の人間には優しくなれないのかな.それは,やっちゃいけないことだと思うのだけれど.

結果,サービス業のスタッフは限りなく「生身のマシン」に近づいていくことになる.そしてスタッフの精神や肉体は限りなくすり減っていくわけだが.

数字

紙の上の数字とはよく言ったもので,これほど無機質なものはない.昨今,アルバイトをする学生は減少傾向にあるように僕は肌で感じているのだけれど,ともかくどこの職場でも人員不足が叫ばれているように思う.「では何故補充に関してもっと効果的な手を打たないのか?」と僕は常に思うのだけれど,それが出来ないから…とも思う.ともあれ,何らかの理由で人員不足に陥った職場では当然の用に残存スタッフにそのしわ寄せが行き,一番被害を被りやすいのがアルバイトである(パートさんはだいたいの勤務時間が決まっているようだ).僕は今の職場2年目にして大学4回生になるわけで,他のアルバイトと比べて最年長ということになる.もちろん,僕よりも勤続年数が長いアルバイトはたくさんいる.だが,大学4回生になる僕が毎月の勤務日数を見ても最も勤務しているという現実には頭を抱えずにはいられない.それは,僕の出勤可能日を数字にして見てみると同時に,仕事の出来を組み合わせると僕が一番使いやすい人材であることに他ならないからなのだが.全く嬉しくない.

お客さんからはほぼ全くと言って良いほど評価されていない僕が,身内からはある意味不釣合いなほどの評価を受けている.それは昨年度までの僕がある程度フレキシブルな対応を可能としたことも原因の一つだが,大学4回生となった今はそれほど動けるわけでもない.しかし,アルバイト個々人のパラメータを「数字」として評価・検討した場合には僕のような都合の良い人材を「マシンのように」使い倒すのが最も効率が良いのだろう.おそらくこれはどの企業でも一緒で,全てを数字として管理するから,やれブラック企業とかいう話になるんじゃないんだろうか.


結局のところ

僕はこの5年間の余暇の時間の大半をアルバイトに費やしてきた結果,「接客は死ぬほど向いてない」という結論しか得ることができなかったように思う.ある意味では現代の学生らしく,ある意味では最も学生としてはふさわしくない.もちろん,自分の頑張りに対して思うような評価が得られないということも一つの原因だけど,やっぱりマシン扱いが耐えられないのだなぁ.

ただこれは恐らく今後どこで生きるにしたって確実について回る概念で,世の中が効率化を求めた先の結果なのだろうなと感じている.義理人情だけでは生きることの出来ない世知辛い世の中だけれど,数字の向こうの人間に目を向けない限りどんな手を尽くしても働く環境は良くならないのだろうなぁ.本格的な社会人になったわけじゃないけど,これからの世の中に希望が持てない.義理人情や優しさを忘れた先には殺伐としたエゴしか無いのだろう.


これから

僕は「逃げる」ことは卑怯でも何でもないと考えていて,立派な戦略の一つだと思っている.むしろ根性論で耐え切れる方が珍しいし,耐え切った先が無いのではないだろうか.ということから,僕はこのお仕事からさっさとおさらばしたいと思っている.とはいえ,あまり親のすねをかじるわけにもいかないし,かと言ってアテがあるわけじゃない.某後輩君からは「プログラム書くアルバイトをしたらいいじゃないですか」とコメントをもらったことがあるけれど,それもツテが無いと出来ない話だ.何かチャンスがあるのならばと思うが,やはり進路が決まってない今は難しい気がする.進路が決まればその限りではない.それどころか,是非チャレンジさせていただきたい.

ともあれ,向いてない仕事を無理して続けて良いことはあまりない(強いて言えば周りのアルバイトより少しばかり時給が良いくらい)ので,時期を見て辞表を書いて,アテが無ければ親のすねをかじらせてもらう生活になるのだろうと思う.

学生の間の時間は貴重とは良く言ったもので,これからの時間は研究や勉強,趣味に充ててしかるべきだと考えているし,そのために少しばかり先立つモノさえあれば良い.向いてないと感じているならさっさとおさらばするというのも,一つの勇気なのだと感じている(きっと,社会人になってもそうなのだろう).ただの甘えなのかもしれないが,これからの時代は忍耐ではなく知恵と勇気で切り拓いて行きたいものだ.



眠れないのでワインとチーズを嗜みながら書いてみたが,そろそろ無くなるのでこのへんで.

Rails寺子屋に参加してきたお話

Rails寺子屋

3/23に品川のOptim社の会議室にて開催されたイベントです.Ruby on Railsについての勉強会でした.

僕は蕾組(初心者コース)で参加させていただきました.普段講義でCを書く程度のコーディング力しか持ちあわせておらず,また自分でコードを書いて何かを作るという習慣もない僕には,ちょうど良いきっかけとなるだろうと期待しての参加でした.


当日

無事に進級をキメてテンションの高い僕,参加者の多さにビビる.そも勉強会なるものに初参加の超noobなので,会場の受付から見る参加者の多さにコミュ障っぷりを発揮.しかし師範の皆様に温かく迎え入れていただきどうにか着席.事前に環境を構築するくらいのことはしておこうと思いある程度のことをやったつもりでしたがいざやってみると動作しない部分があり涙目.師範様万歳.

Rubyについて,Railsについて講義をしていただき,noobの僕でも理解できるように説明をしていただきました.これもある程度の予習をしたつもりでしたが,新たに知ることのできた事柄が非常に多かったです.分数の話とか.Rubyについては半年ほど前に少し書いたことがある程度の知識しかなかったし,よくよく考えたらほとんど忘れきってるし非常にもったいないことをしたなぁ.

当日の蕾組はガイドラインに沿ってアプリを作り,herokuにpushするところまでがゴールラインでした.gitにpushする辺りもなんやかんやと手間取った思い出がありますが,gitコマンドもやはり普段あまり使わないのでよくわかっていないという問題点が浮き彫りになりました.というか個人で使ったときはgithubGUIを利用した思い出があるのでよく考えればほとんど使ってなかったですね.僕個人としては「gitを使うのは複数人数で開発している時」というイメージを何故か持っているのですが,個人レベルで何か書いてgitを積極的に利用していきたいです.お便利だから.ちょうど卒研着手することになると思うので,賢く使えば色々と捗りそうです.いっそ卒研にまつわるファイルを全部gitで管理してもよいかもしれません.


全体を通して

勉強会noobなので雰囲気とかよくわからなかったのですが,もくもくと開発を続けるようなところなのかと思いきやワイワイ賑やかな一日だったと思います.師範の皆様,質問したら速やかかつ解決するまで対応して下さりとても心強かったです.先輩エンジニアの偉大さを思い知った一日でもあります.参加者の皆様も普段からコードを書いてらっしゃる方が多いように思ったので,自分からコードの匂いがしない点について反省.しかしそんな自分でもきっちりゴールにたどり着くことができる寺子屋,萎縮することなく参加してよかったと思います.

Rails,思っていた以上に簡単にアプリの形に持っていけるという点で僕のようなnoobにはピッタリかもしれません.今回開発したアプリを自分なりに改良・追加を重ねることで今後の修練にしたいです.herokuへのコミットが熱くなるな…


最後に

師範様方,本当にありがとうございました,お疲れ様でした.皆様のおかげで次のステップへの一歩を踏むことができたように思います.これからも精進を続けて参り,次回は華組に参加することを目標にしようと思います.



帰りのバスの中で,改良を考えるぞー!

家族の個人化

リトル・ミス・サンシャインという映画

を,見ました.英語の講義で.

映画の内容としては,アメリカにありがち(らしい)な問題を抱えた家族が団結していく様を描くという内容なのですが,僕はあまりピンときませんでした.アメリカン口論のやり方はわかりましたが.デカい声出したモン勝ちや


家族の個人化

この映画を教材化するにあたって作られた教本の中で語られていたのですが,アメリカでは家族の個人化が問題となっているそうです.

グローバル化が進むにつれ顕著になってきたそうで,日本でも往々にしてその傾向にあるようです.僕も家族の中でバリバリ個人化してきた人間なので,なかなかに身につまされる部分もあったりします.


思うこと

僕にはこれを避ける方法がイマイチ考えつかないのですがどうなんでしょうか.一言に個人化と言っても様々なパターンがあるみたいなんで,お決まりの対処法といったものが存在しないように思います.今の御時世,ライフスタイルが家族それぞれに違ってくる以上は避けられない問題ではないでしょうか.

家族の個人化は今後避けられないというのが僕自身まず一番に出てくる考えです.家族の人数や年齢にもよりますが,今時家族が皆揃ってごはんを食べるタイミングというのもなかなか無いのではないでしょうか.そういった家庭が多い以上,家族の個人化は避けられないと思います.家族の個人化よりも,家族を家族たらしめる何かを見つけることの方が重要に思えます.無理やりに全員のライフスタイルを矯正して家族としてのスタイルを保つよりは,家族が家族として過ごす時間を意識して大切にする.それが大事なんじゃないかなー.